雨かと思いました。
私の手の平に落ちたものを。
けれど私の視界はぼんやりしていて
私に降った 泪の向こうに
私以外のモノを見るあの人が居ました。

どうしてこんなにも遠くに居るのですか。
どうしてあの人は私と同じ場所に居ないのですか。
どうしてあの人とこんなにも会えないのですか。

私の降らせた大雨に どんなに想いを託しても
あの人に伝わる事はありませんでした。

あの人はいつも 傘を差しているのですから。



モドル